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推し活はグッズから服へ変わる、メンズにも広がる日常ファッション化とWEGOの提案を読む

OSHIKATSU / FIELD NOTE

推し活はグッズから服へ変わる、メンズにも広がる日常ファッション化とWEGOの提案を読む

WEGOが発表した、推し活がグッズから日常のファッションへ広がる動きを解説。好きな色やモチーフ、カード、ぬいぐるみをバッグや服に取り入れるメンズ層の変化を読み解き、小売やメーカーが取れる売り場づくり、商品設計、権利面の注意点まで実務の視点で具体的に整理します。

ニュースの概要

アパレルチェーンのWEGOが、店頭やSNS、ファンのコミュニティで集めた反応をもとに、推し活の楽しみ方が変わりつつあると発表した。これまでは公式グッズを買い集めるのが中心だったが、最近は好きな色やモチーフ、トレーディングカード、ぬいぐるみなどをバッグや服に取り入れ、日常の装いとして楽しむ人が増えているという。この動きはイベント当日だけでなく普段の街歩きにも及び、男性の層にも広がっている。同社は、推し活市場の関心が専用グッズから、普段使いできる服や小物へ移りつつあるとみている。

引用元: 推し活を取り入れたメンズファッションの新潮流、WEGOが提案(Excite News)

分析・見解

推し活が「持つもの」から「着るもの」に変わった

従来の推し活は、公式グッズを買い、イベント会場で身につけるものだった。缶バッジやタオルは会場では映えるが、日常では使いにくい。WEGOが示した変化は、その線引きが薄れていることだ。好きな色を差し色にする。モチーフを小物に使う。トレーディングカードやぬいぐるみをバッグに入れて持ち歩く。どれも、推しの存在を分かりやすくなりすぎない形で日常に持ち込む工夫である。

大切なのは、主役が人物の顔やロゴから、色や雰囲気へ移っている点だ。顔やロゴを前面に出すと、知っている人にしか伝わらず、知らない人には浮いて見える。色なら、知っている人だけが気づく。知らない人には、ただの配色に見える。この二重の読み方が、普段着との相性を高めている。

メンズ層に広がる鍵は「照れ」を消せる仕組み

これまで推し活の装いは、女性の文化として語られがちだった。男性は好きなものを表に出すことに照れがあり、持ち物を隠す人も多かった。しかし推し色コーデのような決まりのある着こなしは、ファッションの型として説明しやすい。「推しのために着た」ではなく「この色が好きで合わせた」と言える逃げ道があり、心理的な壁が低くなる。

さらに、ストリート系の服は、もともとロゴやバッジ、小物の重ね付けと相性が良い。バッグに飾りが増えても、個性として受け入れられやすい。若者向けの店が、この文化の入り口になりやすいのはそのためだ。

公式の外側で育つ市場に、アパレルが入る余地

推し活市場の規模は、数えるものの範囲によって、調査ごとに数千億円から数兆円と幅がある。中心は長く、公式グッズ、チケット、遠征費だった。一方、公式ではないが推しを思わせる服や小物は、その外側にある領域だ。ここに、アパレルが入る余地がある。

似た例はすでにある。アイドルのファンが使う推し色のネイルやヘアゴム、アニメのファンが作る「痛バッグ」を支える透明バッグや缶バッジケースだ。公式が作らなくても、周辺の小売が先に需要をつかんだ。今回の動きも、同じ型で育つ可能性が高い。

服は「推しを入れる舞台」として設計できる

ここで私が重視したいのは、服そのものよりも「置き場所」の発想だ。カードを見せたいなら、透明なポケットがいる。ぬいぐるみを連れて歩くなら、落ちない留め具がいる。つまり服やバッグは、推しを置く舞台として設計できる。デザインの流行より、使い方への対応が購買の理由になる。

ただし限界もある。店頭やSNSの反応は、声の大きい層に偏りやすい。実際の販売が伸びているかは、別に確かめる必要がある。色の流行も速く、同じ色が数か月で別の意味を持つことがある。さらに、作品名やキャラクターを直接思わせる商品は、公式との線引きを誤ると権利の問題になりうる。

ビジネスへの影響

売り場を種類別から推し色別に組み替える

小売店で最初に試せるのは、陳列の組み替えだ。服、バッグ、小物を種類ごとに並べるのをやめ、色ごと、モチーフごとにまとめる。費用はほとんどかからない。赤を推し色にする人は、赤い上着と赤い小物を同じ棚で見たい。この一手で、一点買いが複数点買いに変わりやすい。

ネット通販でも同じことができる。色名で絞り込める機能や、「カードを入れやすい」といった使い方別の分類を足すだけで、探す手間が減る。接客にも配慮がいる。ファンは自分の趣味を詮索されることを好まない場合がある。声をかけすぎず、聞かれたら答える姿勢が合う。

商品開発は収納と見せ方の機能から考える

メーカーは、見た目より機能を先に考えるとよい。カードが折れない硬さのポケット、ぬいぐるみが落ちない留め具、汚れを拭ける素材などだ。推し色の展開は、最初から全色を作る必要はない。少量ずつ作り、売れた色を追加する方法なら、在庫の失敗を小さくできる。

価格帯も重要になる。主な買い手は学生や若い社会人で、推し活そのものに出費がかさんでいる。服で大きく負担をかけるより、小物から入れる手頃な価格の商品を用意すると、入り口が広がる。

効果を数字で確かめ、権利の線を守る

始めるなら、1か月ごとに推し色コーナーの売上、SNSへの投稿数、再来店率を比べる。店頭の評判だけで判断せず、販売データと照らし合わせることが大切だ。うまくいけば、他の店舗にも広げる。

権利面では、特定の作品名や似せたデザインを使わず、色や一般的なモチーフにとどめるのが安全だ。公式と組むなら、正式な契約を結ぶ。この線を守る店ほど、ファンから長く信頼される。

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