このページはPR・広告を含みます
推し活グッズで来場動機をつくる、福岡の岡山戦ガチャ施策を読む

OSHIKATSU / FIELD NOTE

推し活グッズで来場動機をつくる、福岡の岡山戦ガチャ施策を読む

アビスパ福岡が10月10日の岡山戦で、TEAM NAYBee限定の新商品2種をガチャとシークレットで投入。勝敗に左右されない来場動機づくりとして、その仕組みと事業への示唆を読み解く。

ニュースの概要

アビスパ福岡の公式サイトが、10月10日(土)の岡山戦に合わせた新商品の発売を告知した。ファンクラブ「TEAM NAYBee」の会員限定で、注目の新商品2種がガチャとシークレット枠に新しく登場するという内容である。見出しには「推し活」という言葉が使われ、試合そのものだけでなく、会場で過ごす時間を楽しんでもらう狙いがにじむ。入場料に頼り切らず、来場の理由を増やす動きは、Jリーグの各クラブで広がっている。今回の発表も、その流れの中に位置づけられる。小さな告知に見えて、クラブ運営の考え方がよく表れている。

引用元: 推し活がもっと楽しくなる!10/10(土)岡山戦【TEAM NAYBee限定】 注目の新商品2種がガチャ&シークレットに新登場!(アビスパ福岡公式サイト)

分析・見解

勝敗に左右されない「来場の理由」をつくる

Jリーグのクラブ収入は、入場料、スポンサー、放映権、物販が柱になる。このうち、試合結果の影響を最も強く受けるのが入場料である。勝てば客席が埋まり、負けが込めば足が遠のく。

一方で物販は、勝敗よりも「その日にしか買えない」という希少性に動かされやすい。今回の告知は、岡山戦という一試合に新商品の発売を重ね、結果とは別の来場動機を用意している。順位表が揺れても、会場に足を運ぶ理由が残る設計である。

ガチャとシークレットが効く心理的な仕組み

ガチャは、何が出るか分からない楽しさを売る。シークレットは、全体のごく一部だけが当たりとして混ぜられ、集める意欲を押し上げる。どちらも、一度の購入で終わらせず、次の来場まで気持ちをつなぐ働きがある。

ここで見逃せないのは、対象を会員限定にした点である。ファンクラブに入る理由が「試合を見られる」から「会員だけが味わえる体験がある」へと広がる。入会の動機が増えれば、年会費という安定した収入にもつながる。

推し活という言葉が示す、応援の形の変化

見出しにある「推し活」は、アイドルやアニメの世界で育った言葉である。特定の選手を推し、グッズを集め、同じ好みの人と語り合う。この楽しみ方をサッカーに持ち込むと、戦術や順位の話が苦手な人でも、スタジアムに入りやすくなる。

身近な例が、プロ野球球団のユニフォーム配布や選手の立体マスコットである。これらは女性や若い層の来場を押し上げてきた。サッカーでも、勝敗を語る応援に加えて、選手個人への愛着を軸にした応援が並び立ち始めている。

福岡の強みと、次に問われる点

福岡は人口の多い都市圏で、週末の過ごし方の選択肢も多い。だからこそ、試合以外の魅力を足す工夫が効く。

ただし、希少性に頼りすぎると、買えなかった人の不満が残る。数量の見せ方、売り切れの伝え方、買えなかった人への救済策まで含めて設計できるか。ここが、単発の話題で終わるか、定着する習慣になるかの分かれ目である。

ビジネスへの影響

「その日だけの体験」を売る発想は他業種でも使える

スポーツ以外でも、固定客を増やしたい事業者は多い。今回の施策の核心は、商品そのものより「その日、その場所、その会員だけ」という限定の掛け合わせにある。飲食店なら来店日限定の一品、書店なら会員向けの特典付き新刊イベントなど、置き換えは難しくない。まず、自社の既存客が共有している楽しみは何かを洗い出すところから始めるとよい。

限定施策で気をつけたい三つの落とし穴

一つ目は、数量の不足である。人気が出るほど、買えない人の不満が積もる。二つ目は、転売への対処である。会員限定や購入制限など、ルールを事前に明示したい。三つ目は、効果の測り方である。売上だけでなく、会員数の増減や再来場率まで追わないと、一時的な盛り上がりと見分けがつかない。

小さく試し、数字で判断する進め方

大きな投資の前に、一つの催しで試すのが現実的である。商品を二種類に絞る今回の形は、在庫の負担を抑えつつ、反応を測りやすい。結果を会員データと突き合わせ、次回の企画に生かす。この繰り返しが、ファンを育てる事業の土台になる。

関連記事